トルコの源泉徴収税(stopaj)はいくら?満期別・通貨別の税率

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前回の記事で、Akbank・Garanti BBVAの定期預金を具体的な数字でシミュレーションしました。その中で何度も出てきたのが「stopaj(ストパジ)」という、トルコ現地で天引きされる源泉徴収税です。

「税金が引かれる」ということ自体は分かっていても、具体的に何%引かれるのか、なぜ預入期間によって税率が変わるのか、通貨によって扱いが違うのか——このあたりは、正直分かりにくい部分だと思います。この記事では、トルコのstopajについて、満期別・通貨別に整理してお伝えします。

そもそもstopajとは何か

stopaj(ストパージュ)は、トルコの銀行預金の利息に対して、現地の銀行が支払い時点で自動的に天引きする源泉徴収税です。日本の銀行預金でいう「利子課税(20.315%)」のようなものですが、トルコの場合、預入期間や通貨によって税率が細かく分かれているのが特徴です。

手続き上、この税金は口座保有者が何かを申告したり支払ったりする必要はありません。満期時に、銀行が利息からあらかじめ差し引いた金額を、税引き後の利息として自動的に入金してくれる仕組みです。前回の記事の試算で「満期時の利息(税引後)」として計算していたのは、まさにこのstopajが差し引かれた後の金額です。

リラ建て預金の税率(満期別)

トルコリラ建ての定期預金の場合、stopajの税率は預入期間によって次のように区分されています。「1年」という区切りは、感覚的には365日目まで含むように思えますが、実際には364日と365日の間に区分の境目がある点に注意が必要です(この点は次のセクションで実例とともに解説します)。

預入期間stopaj税率
180日以内(6ヶ月以内)17.5%
181日〜364日15%
365日以上10%

見ての通り、預入期間が長いほど税率が下がるという構造になっています。前回の記事でAkbankの3ヶ月定期(17.5%)とGaranti BBVAの1年定期を比較した際、税率の違いに触れましたが、この一覧表で見ると、その位置づけがより分かりやすいと思います。

短期の預金で少し試してみて、慣れてきたら長期に切り替える、という進め方をされる方もいらっしゃいますが、その場合、税率の面では長期の方が有利になる、ということは知っておいて損はないと思います。

前回の記事でご紹介した「満期日をずらして複数の銀行に分散する」という考え方とあわせると、たとえば短期の3ヶ月定期(17.5%)と長期の1年超定期(10%)を組み合わせて持つことで、資金の一部はいつでも動かせる状態を保ちつつ、もう一部は税率面で有利な長期運用に回す、という使い分けもできます。stopajの仕組みを理解していると、こうした組み合わせの判断がしやすくなります。

外貨建て預金は税率が変わる

ここまではトルコリラ建ての場合の税率です。もし米ドルやユーロなど、外貨建てでトルコの銀行に預ける場合は、stopajの扱いが変わります。

外貨建て預金の場合、預入期間にかかわらず、一律25%という税率が適用されます。リラ建ての場合は最も税率が低い区分(1年超)でも10%であることを考えると、外貨建ての25%はかなり高い水準です。

これは、トルコ政府がリラ建て資産での運用を優遇し、外貨からリラへの資金シフトを促したいという政策的な意図の表れだと考えられます。高金利という魅力に加えて、税制面でもリラ建てが優遇されているというのは、この記事で改めてお伝えしておきたいポイントです。

「トルコリラは値下がりが怖いから、いっそドルで預けておいた方が安心では」と考える方もいらっしゃるかもしれません。気持ちとしては理解できるのですが、税率の面だけを見ると、外貨建ての25%はリラ建てよりもかなり不利です。為替リスクを避けたいという理由だけで外貨建てを選ぶと、税負担の面で機会損失が生じる可能性がある、というのは知っておいていただきたい点です。

具体的な税額を計算してみる

前回の記事のGaranti BBVA 1年定期(90万TL・年34.00%)のケースを使って、税額の内訳をもう一度整理してみます。

項目金額
預入額90万TL
満期時の利息(税引前)30万6,000TL
stopaj税率(1年以内)15%
※Garanti BBVA公式ツールでは10%適用の例あり。商品や時期により運用が異なる場合があります
stopaj税額(15%の場合)4万5,900TL
手取りの利息26万100TL

正直にお伝えすると、この「364日と365日で税率が変わる」という区分は、多くの方が見落としがちなポイントです。実際にGaranti BBVA公式サイトの計算ツールで、預入期間だけを変えて試算してみると、その違いがはっきり分かります。

項目364日で預けた場合365日で預けた場合
提示された金利年36.0%年34.0%
stopaj税率15%10%
利息(税引前)32万3,112TL30万6,000TL
stopaj税額4万8,467TL3万600TL
手取りの利息27万4,645TL27万5,400TL

ここで正直に告白すると、私も最初は「365日にした方が税率が下がる分、単純にお得になるはず」と考えていました。ただ、実際に数字を並べてみると、364日の預金には税率区分が不利になる代わりに、より高い金利(年36.0%)が提示されており、結果として手取りの利息は364日でも365日でも、ほぼ同じ水準(いずれも27万円台半ば)になっていました。

つまり、「1日長く預ければ税率区分で得をする」という単純な話ではなく、銀行側は期間ごとに提示する金利そのものを調整しており、最終的な手取り額は税率と金利の組み合わせで決まる、というのが実態です。stopajの税率区分だけを見て判断するのではなく、必ず「税引き後の手取り額」がいくらになるかを、その時点の提示金利とあわせて確認することが大切だと、この検証を通じて改めて感じました。

なお、こうした期間ごとの金利設定は、時期や銀行のキャンペーンによって変わります。契約前には必ず、その時点でその銀行が提示している正確な金利・税率の組み合わせを確認することをおすすめします。この点は、無料相談の際にも最新の情報をお伝えするようにしています。

日本側の税務も別に発生する

ここまではトルコ現地で天引きされるstopajの話でしたが、日本の居住者である以上、日本側でも別途、税務上の手続きが必要になります。

海外の銀行で得た利息は、日本の国内銀行のように「源泉分離課税(天引きで完結)」ではなく、給与など他の所得と合算して税率が決まる「総合課税」の対象になります。トルコで一度stopajが天引きされていても、日本側で改めて確定申告が必要になる、というのが原則です。その際、トルコで支払った税金については「外国税額控除」という制度を使うことで、二重に税金を払う状態を避けられます。

この日本側の確定申告については、税率の考え方や具体的な計算例も含めて、次回の記事で詳しく取り上げる予定です。正直、こちらの方がstopajよりも複雑に感じる方が多い部分だと思うので、じっくり解説します。

ここで一つ、誤解しやすい点を補足しておきます。「トルコで税金を引かれているのだから、日本ではもう課税されないはず」と思われがちですが、そうではありません。stopajはあくまでトルコ国内での課税であり、日本の居住者が全世界所得(国内外を問わず得たすべての所得)に対して課税されるという原則そのものは変わりません。外国税額控除は「二重に税金を取られないようにする」ための調整であって、「トルコで課税されたから日本では非課税になる」というものではない、という点は誤解のないようにしていただきたいところです。

まとめ:税率を知っていれば、慌てない

stopajは、基本的には預入期間が長いほど、そしてリラ建てであるほど、税率が有利になるという仕組みです。ただし前のセクションで見た通り、税率区分だけでなく、その期間に銀行が提示する金利自体も変わってくるため、「税率が低いから得」と単純に判断できない場合もあります。

大切なのは、税率と金利の両方を含めた「手取りでいくらになるか」を、預け入れ前に確認しておくことです。正確な数字は、預け入れ時点でその銀行に確認するのが一番確実です。

私は、こうした税制の仕組みを踏まえたシミュレーションから、実際の口座開設の同行まで、一貫してサポートしています。税理士業務(確定申告の代行や具体的な税額計算)は行っておりませんが、制度の仕組みや一般的な考え方については無料相談でご案内していますので、気になる点があればお気軽にお問い合わせください。

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本記事のstopaj税率(180日以内17.5%/181〜364日15%/365日以上10%)は、2026年8月時点でGaranti BBVA公式サイトの計算ツールを用いて検証した情報です。銀行が提示する金利・税率の組み合わせは時期や商品により変動するため、契約前に必ず預入先の銀行で最新の条件をご確認ください。また、本記事は税務の一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務相談・税額計算・確定申告の代行を行うものではありません。具体的な税務判断は税理士または税務署にご確認ください。

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